人生後半戦の働き方


前回は「やりたい仕事とは誰かのために働くことである」ということについて考えてみました。そして「副業も仕事」であるということを最後に書きました。今回は副業で得られる「見返り」について考えてみたいと思います。




◆仕事と作業

仕事は「自分の持つ価値を相手に提供して、相手の持つ価値と交換すること」です。作業とは「自分の身体を使って働くこと」です。自給自足で暮らしている人の働き方は、自分のために働いているので仕事ではなく作業です。ただ社会と関係の持たない完全な自給自足であれば、そのような人が居ること自体もわからないかもしれません。


◆収入を得る方法

仕事が「誰かのために働くこと」であれば、作業は「与えられた課題に対して働くこと」です。副業を行う一番の理由は「収入のため」です。収入を得るという課題に対して働くのであれば作業を行っていることになります。誰かのために働いて、その見返りとして収入を得るのであれば仕事となります。作業で収入を得るのか、仕事で収入を得るのかという良し悪しではなく方法が2つあるということです。


◆本業で不足している

本業に対しての副業ですので、本業で不足している部分を副業で補うという考えであれば、作業で収入を得ることは1つの方法です。本業で不足していると感じるのは収入だけではありません。将来性であったり、人間関係であったり、社会への貢献度などが考えられます。副業を行うのは、健康のため、時間に余裕がある、趣味・能力を生かしたいなどという考え方もあります。

人生後半戦の働き方


◆副業は準備期間

50歳を過ぎてからの「副業で誰かのために働く仕事」ということは、定年以降も続けられる仕事ということです。個人で働いている方は、今の仕事を引退もしくは第一線を退いた後の仕事ということです。このような仕事は作業とは違い、今日で終わりにして明日から始めるということはできません。副業という期間で模索し準備することが可能になります。


◆経験と技能と収入

副業で得られる見返りは収入だけではありません。まず「経験」が得られます。良い経験も悪い経験も得られます。良い経験が多ければ副業として次の段階が考えられます。次の段階はスキル(技能)を得ることです。スキルを得ることでより質の高い価値を提供できるようになります。そしてその結果として収入につながるかもしれません。


◆人間関係という経験値

他にも本業とは異なった人間関係を持つことができます。人間関係というのは向き不向きがあるので、良い人間関係を結ぶための観察眼が養われます。世の中にはいろいろな人がいます。良くも悪くも今まであったことのない人に出会います。人間関係は仕事の入口と出口に当たりますので、人間関係の経験値を高めることも副業で得られる見返りの1つです。


◆社会への貢献を実感

ニューシニア世代では、自分の経験やスキルを活かした仕事の他に「介護」と「ボランティア」の仕事を希望する方も多いと聞きます。このような「誰かのための仕事」は直接的な経験を得られると思います。介護もボランティアも、仕事をした後には収入や経験や人間関係とは違った見返りをいただくことができます。それは「労いへの感謝の気持ち」です。


◆結局は自分のための仕事

収入以外のものを副業に求めるときには、「将来性や人間関係や社会貢献のため」と堅苦しく言うと、結局は自分のために働いているように聞こえてしまいます。健康のためや時間に余裕があるからと同じように聞こえてしまいます。健康のため、時間に余裕があるというのも照れ隠しのために言っているのかもしれませんが。


価値を提供する以上は見返りを求めるのは当然なのですが、副業を本業では不足している「誰かのために働き、感謝していただける仕事」という考え方も持つべきではないでしょうか。

次回は「副業で社会参加は必要か」ということについて考えてみたいと思います。